理学療法士の面接対策 PT転職コラム

【理学療法士の面接対策】よく聞かれる質問と回答例

理学療法士の転職はとても活発で、多くの病院や介護施設が優秀な人材を探しています。

面接では、専門的な知識だけでなく、コミュニケーション能力や人柄も厳しくチェックされます。

特に理学療法士は患者さんと直接関わることが多い仕事なので、面接官は技術よりも人間性や対応力を重視する傾向があります。

理学療法士の面接でよく出る質問を事前に把握して、適切な回答を準備しておくことが転職成功の鍵となります。

この記事では、理学療法士の面接でよく聞かれる質問の答え方と、施設ごとの特徴的な質問について詳しく解説します。

理学療法士の面接でよく聞かれる質問と回答例

理学療法士の面接では、専門職ならではの質問と一般的な転職面接の質問が混ざって出題されます。

ここでは、実際の面接でよく聞かれる質問について、具体的な回答例とそのポイントを詳しくご紹介します。

自己紹介・自己PR系(必ず聞かれる質問)

1. 自己紹介をお願いします

回答例 「田中と申します。理学療法士として5年間、急性期病院で脳血管疾患や整形外科疾患の患者さんを中心に担当してきました。特に脳卒中の患者さんの歩行訓練に力を入れて、色々な職種の方と連携しながら在宅復帰のお手伝いをしてきました。今回、もっと生活に密着したリハビリに関わりたいと思い、こちらの施設を志望しました。患者さん一人ひとりに寄り添って、その人らしい生活を実現するお手伝いができる理学療法士になりたいと思っています。」

答え方のコツ

  • 2~3分以内でまとめる
  • 経験年数と専門分野をはっきり言う
  • 志望動機も簡潔に含める
  • 応募先で活かせる経験をアピールする

あなたの長所と短所を教えてください

回答例(長所) 「私の長所は、患者さんの気持ちに寄り添える共感力だと思います。脳卒中で麻痺が残った70代の男性患者さんが『もう歩けないかもしれない』と落ち込んでいらした時、まずはお気持ちをしっかりお聞きして、小さな目標から一緒に取り組みました。結果的に歩行器で歩けるようになって、ご自宅に帰ることができました。この経験から、技術だけでなく患者さんの心に寄り添うことの大切さを学びました。」
回答例(短所) 「私の短所は、完璧主義になりがちなところです。以前は一人で全部やろうとして、他のスタッフに相談するのをためらっていました。でも、チーム医療の大切さを実感して、今は積極的に他の職種の方の意見を聞いて、患者さんにとって最適な治療方針を話し合うようにしています。この取り組みで、より良い結果につながることを実感しています。」

答え方のコツ

  • 長所は応募先で活かせる内容を選ぶ
  • 具体的なエピソードで説明する
  • 短所は改善への取り組みもセットで話す
  • 短所を長所に変えられる表現を使う

志望動機・転職理由系(最重要)

なぜ当院(施設)を志望されたのですか?

回答例(介護老人保健施設の場合) 「こちらの施設を志望した理由は3つあります。1つ目は、『利用者さんの尊厳を大切にした生活支援』という理念にとても共感したことです。2つ目は、在宅復帰率の高さです。ホームページで見た80%という数字は、スタッフの皆さんの熱意と専門性の高さの表れだと感じました。3つ目は、多職種連携の充実です。理学療法士として、介護士さんや看護師さんと密に連携して、利用者さんの生活の質向上に貢献したいと考えています。今の病院での急性期の経験を活かして、こちらでもっと生活に密着したリハビリに取り組みたいと思います。」

答え方のコツ

  • 応募先の理念や特色を事前に調べる
  • 具体的な数字やデータを含める
  • 自分の経験がどう活かせるかを明確にする
  • 3つのポイントに整理して話す

前職を辞める理由について教えてください

回答例 「今の職場では急性期医療に携わって、たくさんの経験を積ませてもらいました。でも、入院期間が短くなって、患者さんの退院後の生活まで深く関わることが難しい状況でした。理学療法士として、患者さんがご自宅や地域で『その人らしい生活』を送るためのサポートにもっと深く関わりたいという思いが強くなりました。そのため、生活期のリハビリに力を入れている施設で、長期的な視点で利用者さんを支援したいと考えて、転職を決意しました。」

答え方のコツ

  • 前職の批判は避ける
  • 成長したい気持ちや新しいチャレンジへの意欲を強調
  • 応募先の特色と関連付ける
  • 前向きな表現を使う

5年、10年後どうなっていたいですか?

回答例 「5年後は、生活期リハビリの専門家として、利用者さんやご家族から信頼される理学療法士になりたいと考えています。特に、在宅での生活動作指導や環境整備のアドバイスができる知識と技術を身につけたいです。10年後は、後輩理学療法士の指導にも携わって、チーム全体のレベル向上に貢献できる存在になりたいと思います。また、地域の介護予防事業にも積極的に参加して、健康寿命の延伸に貢献したいと考えています。そのために、常に学び続ける姿勢を大切にして、資格取得や研修参加にも積極的に取り組んでいきます。」

答え方のコツ

  • 具体的で実現可能な目標を設定
  • 応募先での成長を前提とした内容
  • 個人の成長と組織への貢献を両立
  • 継続的な学習意欲を示す

人間性・ストレス耐性を見る質問

ストレスをどうやって発散しますか?

回答例 「私は週末にランニングをすることでストレス発散をしています。体を動かすことで気持ちがリフレッシュされて、翌週への活力が湧いてきます。また、理学療法士として患者さんに運動の大切さをお伝えする立場でもあるので、自分自身が健康的な生活を実践することも重要だと考えています。その他にも、同期の理学療法士との情報交換会を定期的に開いて、お互いの悩みを共有することで、精神的なサポートも得ています。」

答え方のコツ

  • 健全で建設的な方法を挙げる
  • 理学療法士としての職業意識と関連付ける
  • 複数の方法を持っていることを示す
  • 同僚との良好な関係性もアピール

苦手なタイプはいますか?

回答例 「以前は、なかなか訓練に積極的になれない患者さんへの対応に苦手意識がありました。でも、そのような患者さんこそ、不安や痛みを抱えていらっしゃることが多いということに気づきました。今は、まずは患者さんの気持ちに寄り添って、なぜ消極的になられるのかその背景を理解するよう心がけています。その結果、多くの患者さんが前向きに取り組んでくださるようになって、苦手意識も解消されました。人との関わりでは、相手の立場に立って考えることの大切さを学びました。」

答え方のコツ

  • 過去の苦手意識を成長のきっかけとして表現
  • 克服のための具体的な取り組みを説明
  • 理学療法士としての専門性の向上につなげる
  • 相手を理解しようとする姿勢をアピール

理学療法士の面接でよく聞かれるこれらの質問への回答例を参考に、自分なりのエピソードと表現で準備することが成功の鍵となります。

次に、面接で重要な「逆質問」について解説します。

逆質問を準備しよう

面接の最後に「何か質問はありますか?」と聞かれる逆質問は、あなたの積極性や関心度をアピールする絶好のチャンスです。

理学療法士の面接では、実際に働く上で重要なことを質問することで、仕事に対する真剣さを示すことができます。

採用担当者が逆質問で評価するポイント

逆面接で評価されるポイント

逆質問は、採用担当者にとっても応募者の本音や価値観が最も表れる重要な場面です。

「どんな質問をするか」「何に関心を持っているか」から、その人の仕事に対する姿勢や将来性を判断しています。

面接官は逆質問を通じて、以下のような点を見極めようとしています。

  • 本気でこの職場で働きたいと思っているか
  • 理学療法士として何を重視しているか
  • 入職後に活躍してくれそうか
  • 長く働き続けてくれそうか

採用に効果的な逆質問例

逆質問でも、あなたが理学療法士として何を重視し、どんな働き方を望んでいるかを伝えることができます。

以下の質問例を参考に、あなた自身が本当に知りたいことを整理して準備しましょう。

新人理学療法士としての成長について

  • 「新人の理学療法士がスキルアップするために、どのようなサポートをしていただけますか?」
  • 「指導担当の先輩はついていただけるのでしょうか?どのくらいの期間、指導を受けることができますか?」
  • 「入職後、どのようなことから始めることになりますか?事前に準備できることがあれば教えてください」
  • 「理学療法士として成長していくために、特に身につけるべきスキルがあれば教えてください」

実際の業務内容について

  • 「一日の業務の流れを教えていただけますか?」
  • 「利用者さん(患者さん)の担当人数はどのくらいになりますか?」
  • 「困った時や判断に迷った時は、どなたに相談すればよいでしょうか?」

施設の特色や方針について

  • 「この施設で働く理学療法士の方々の、やりがいや魅力はどのような点でしょうか?」
  • 「利用者さん(患者さん)との関わりで、特に大切にされていることがあれば教えてください」
  • 「スタッフ同士のコミュニケーションや、働きやすい環境作りで工夫されていることがあれば教えてください」
  • 「この施設の理学療法の特色や強みがあれば教えてください」

将来性や安定性について

  • 「長く働いている理学療法士の方はどのようなキャリアを歩まれていますか?」
  • 「理学療法士として、この施設でどのような成長や経験ができると思いますか?」
  • 「今後、理学療法士に期待される役割の変化はありますか?」

避けるべきNG質問例

給与や休暇などの条件面ばかりを気にする質問は、仕事への意欲よりも待遇面にしか関心がないという印象を与えてしまいます。

以下のような質問は避けて、より建設的な内容を心がけましょう。

給与・待遇関連

「給料はいくらもらえますか?」
「残業は多いですか?」
「有給は取りやすいですか?」
「昇給はありますか?」

なぜNG? 条件面ばかり気にして、仕事内容への関心が低いと思われる

調べれば分かること

「どのようなサービスを提供していますか?」
「施設の理念は何ですか?」
「何床の施設ですか?」

なぜNG? 事前の準備不足が明らか、本気度が疑われる

やる気が感じられない

「特に質問はありません」
「研修は大変ですか?」
「いつから働けますか?」

なぜNG? 積極性や成長意欲が全く感じられない

「印象に残る逆質問」とは

『利用者さんのために何ができるか』『どうすれば成長できるか』といった、前向きな質問をする方は印象に残ります。

逆に、休みや給料のことばかり聞く方は、仕事への意欲が疑問視されてしまいます。

また、準備した質問だけでなく、面接の中で気になったことを自然に質問することも好印象につながります。

面接の逆質問は、あなたの人柄や仕事への姿勢を最後にアピールできる大切な時間です。

「この人なら安心して利用者さんを任せられそう」「一緒に働きたい」と思ってもらえるような、前向きで具体的な質問を心がけましょう。

最後に、面接での好印象回答例とNG回答の具体的な事例をご紹介します。

面接での好印象回答例とNG回答パターン

理学療法士の面接では、回答の内容だけでなく、伝え方や表現方法も重要な評価ポイントとなります。

ここでは、好印象を与える回答のコツと絶対に避けるべきNG回答について、具体例とともに詳しく解説します。

好印象を与える回答例

転職理由の好印象回答例

良い回答例 「今の病院では急性期リハビリに3年間携わって、多くの経験を積ませてもらいました。でも、患者さんの退院後の生活について『この方は自宅でどのように過ごされているだろう』と考えることが多くなりました。理学療法士として、医学的な回復だけでなく、患者さんが地域で豊かな生活を送るためのサポートにより深く関わりたいと考えて、生活期リハビリに力を入れているこちらの施設を志望しました。」

答え方のコツ

  • 前職の経験を肯定的に評価
  • 成長への意欲を具体的に表現
  • 応募先の特色と自分の目標を関連付け
  • 患者さんへの思いを込めた理由

困難な経験の好印象回答例

良い回答例 「印象に残っているのは、リハビリに全く協力的でない80代の女性患者さんとの関わりです。最初は『なぜ拒否されるのか』と困惑しましたが、ご家族から『娘の結婚式までに歩けるようになりたい』という強い思いがあることを伺いました。そこで、結婚式での母親の役割について詳しくお聞きして、『娘さんの手を引いて歩く』という具体的な目標を一緒に設定しました。小さなステップに分けて練習を重ねて、最終的に結婚式で娘さんと歩いている写真をお見せいただいた時は、理学療法士として大きな喜びを感じました。」

答え方のコツ

  • 困難を成長の機会として捉える
  • 患者さんの背景や思いを理解する努力
  • 具体的な解決策と結果を示す
  • 理学療法士としてのやりがいを表現

避けるべきNG回答例

転職理由のNG回答例

NG回答例 「前の職場は残業が多くて給料も安かったです。上司とも合わなくて、人間関係も最悪でした。こちらの方が条件が良さそうなので応募しました。」

なぜNGなのか

  • 前職への批判・不満ばかりになっている
  • 給与・待遇面のことしか考えていない
  • 応募先への具体的な関心が感じられない
  • 人間関係の問題を他人のせいにしている

改善例 「前職では多くの経験を積ませてもらいましたが、もっと充実した研修制度の中で専門性を高めたいと考えるようになりました。こちらの施設の継続的な学習支援体制にとても魅力を感じて、志望しました。」

志望動機のNG回答例

NG回答例 「特に理由はありませんが、理学療法士の求人があったので応募しました。どこでも同じような仕事だと思うので。」

なぜNGなのか

  • 志望動機が全くない
  • 職業への理解と熱意が感じられない
  • 事前の情報収集をしていない
  • 理学療法士としての専門性を軽視している

改善例 「こちらの施設の『利用者さん一人ひとりの尊厳を大切にした支援』という理念にとても共感します。私も理学療法士として、技術的な支援だけでなく、その方らしい生活の実現をサポートしたいと考えています。」

理学療法士の面接で好印象を与える回答を準備して、NG回答を避けることで、面接成功の可能性を大幅に高めることができます。

面接は緊張するものですが、「自分の経験と思いを伝える機会」として前向きに捉えることが大切です。

完璧な回答を目指すよりも、誠実さと熱意を持って臨むことで、あなたらしさを十分にアピールできるでしょう。

面接対策と同じくらい大切なのが、履歴書作成です。

面接官は履歴書を見ながら質問することが多いので、履歴書の内容と面接での回答に一貫性があると、より説得力のある自己アピールができます。

面接で自信を持って話せる履歴書を作りたい方は、ぜひこちらの記事も参考にしてみてください。

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