理学療法士の平均年収は約432万円で、日本全体の平均よりも低い傾向にあります。
そのため、副業による収入アップを検討している方が多いのではないでしょうか?
しかし、理学療法士は平日8時間のフルタイム勤務が基本で、体力的にも負担の大きい仕事です。
現実的に副業に充てられる時間は、土日と隙間時間に限られるのが実情です。
そこで今回は、理想論ではなく、理学療法士としてのスキルやライフスタイルに合った、現実的に月3〜10万円の収入アップが目指せる副業を厳選してご紹介します。
理学療法士の副業における時間制約の現実
まず、理学療法士が副業をする上での現実的な時間制約を整理しましょう。
平日の現実
- 勤務時間:8:30-17:30(残業含むと18:30-19:00)
- 通勤時間:往復1-2時間
- 帰宅後:食事、入浴、翌日準備で21:00頃
- 平日夜に副業する体力・集中力が残っている人は少数
土日の現実
- 土曜出勤の職場も多い(隔週や月1回など)
- 完全週休2日制は全体の約60%
- 休日は体力回復と家事・プライベートが優先
- 副業に使える時間は土日合わせて5-10時間程度
理学療法士の副業の場合は、この制約を前提に、時間の融通が利くものを選ぶことも重要です。
前提が分かったところで、具体的に理学療法士の副業をご紹介します。
現実的な理学療法士の副業5選
理学療法士の時間制約を考慮し、実際に継続可能な副業をランキングにしました。
多くの副業紹介記事では理想的な収入が強調されがちですが、ここでは実際に仕事を獲得できる確率と継続性を重視しています。
1位:在宅Webライター(月収2万円〜4万円)
時間の自由度:★★★★★
実現可能性:★★★★☆
最も時間の融通が利く副業です。
深夜や早朝など、自分の都合に合わせて作業できます。
具体的な仕事の見つけ方
- クラウドワークス:「理学療法士 ライター」で検索、常時20〜30件の案件
- ランサーズ:医療系記事の案件が豊富
- ココナラ:記事監修サービスとして出品
- 直接営業:医療メディアへのメール営業
現実的な作業時間と収入例
- 平日:朝6-7時、夜22-23時の各1時間
- 土日:3-4時間ずつ
- 月間総作業時間:20-25時間
- 文字単価1.5円×月15,000文字=22,500円
実際の案件例
- 「腰痛改善記事 2,500文字」→ 文字単価1.8円で4,500円
- 「リハビリ継続記事 3,000文字」→ 文字単価2円で6,000円
- 継続案件:月4記事で20,000円
2位:土日限定の非常勤勤務(月収2万円〜3.5万円)
時間の自由度:★★☆☆☆
実現可能性:★★★★★
最も確実に収入を得られる方法ですが、土日の時間を大きく消費します。
具体的な仕事の見つけ方
- ジョブメドレー:「土日のみ」で絞り込み検索
- PTOTキャリアナビ:週1回勤務の案件多数
- 知人・同僚からの紹介:最も信頼できる方法
現実的な働き方と収入例
- 土曜日のみ:6時間×月4回、時給1,800円で43,200円
- 日曜日のみ:4時間×月4回、時給2,000円で32,000円
- 隔週土日:各4時間×月4回、時給1,900円で30,400円
3位:月1-2回のセミナー講師(月収1万円〜3万円)
時間の自由度:★★★★☆
実現可能性:★★☆☆☆
頻度は少ないですが、高単価で効率的に稼げます。
具体的な仕事の見つけ方
- 市区町村の健康推進課:介護予防教室の講師募集
- 地域包括支援センター:月1回の体操教室
- 民間企業:従業員向け健康セミナー
- 医療機器メーカー:製品説明会での専門家として参加
現実的な収入例
- 市主催介護予防教室:月1回×15,000円=15,000円
- 企業健康セミナー:月1回×30,000円=30,000円
- 地域体操教室:月2回×8,000円=16,000円
4位:オンライン健康相談(月収1万円〜2.5万円)
時間の自由度:★★★★★
実現可能性:★★☆☆☆
完全予約制で、自分の都合に合わせて時間設定できます。
具体的な仕事の見つけ方
- ココナラ:健康相談サービスとして出品
- タイムチケット:30分〜60分の相談枠を販売
- MOSH:自分の相談サービスを開設
- SNS集客:TwitterやInstagramでの情報発信
現実的な収入例
- 1回30分2,000円×月10件=20,000円
- 1回60分3,500円×月6件=21,000円
「お客様となる人が、どの媒体でサービスを探しているのか」を考えてアプローチをしましょう。
5位:ブログ・アフィリエイト(月収0円〜2万円)
時間の自由度:★★★★★
実現可能性:★☆☆☆☆
長期的な資産となりますが、収益化まで最低1年は必要です。
収益化の方法
- 健康器具のアフィリエイト
- 理学療法士向け書籍の紹介
- Googleアドセンス
- 自作コンテンツの販売
現実的な期待値
- 1年目:月収0-3,000円(ほとんどが0円)
- 2年目:月収5,000-15,000円(継続できれば)
- 3年目以降:月収2-5万円(成功例は少数)
ブログで稼ぐことの現実について(筆者の実体験)
私も趣味でブログを運営していますが、「ブログで簡単に稼げる」というセミナー広告をよく見かけます。
しかし、これらは「セミナー」という商品を販売するための手口であることが多いのが実情です。
実際のブログ運営の大変さ
- 需要の多いキーワードの調査が必要
- 上位表示するためのSEO対策が必須
- ただ書くだけでは読者に見てもらうことも困難
- 各企業も同じ市場で競合している
- 「簡単に稼ぐ」というのは現実的ではない
理学療法士が無理なく始められる副業で重要なのは、今あるスキルをどう活かすか。そして、無理なく継続できる働き方を見つけることです。
以上をふまえて、堅実的に月収3万円を目指す方法を考えてみましょう。
【理学療法士の副業】月収3万円を達成する現実的な組み合わせ
ここでは、理学療法士が月収3万円を目指すための、現実的な副業パターンをご紹介します。
パターンA:安定収入重視型(約4万円)
- 副業内容: 土曜日の非常勤勤務
- 稼働時間と収入: 月4回 × 6時間 × 時給1,700円 = 月収40,800円
- 月間稼働時間: 約24時間
- メリット: 確実性が高く、特別なスキルが不要
- デメリット: 土曜日がすべて潰れる
パターンB:在宅中心型(約2.4万円)
- 副業内容: Webライター
- 稼働時間と収入: 月20時間 × 時給1,200円 = 月収24,000円
- 月間稼働時間: 約20時間
- メリット: 自宅ででき、家族との時間を確保しやすい
- デメリット: 収入が安定するまでに3〜6ヶ月かかる
パターンC:効率重視型(約2万円)
- 副業内容: セミナー講師
- 稼働時間と収入: 月1回 × 20,000円 = 月収20,000円
- 月間稼働時間: 約4時間(準備含む)
- メリット: 圧倒的に時間効率が良い
- デメリット: 実績作りや営業が必要
パターンD:複合型(約3.5万円)
- 副業内容: Webライター(15時間/15,000円)+セミナー講師(1回/20,000円)
- 月間稼働時間: 約19時間
- メリット: 収入源が分散されリスクが低い
- デメリット: タスク管理が複雑になりやすい
理学療法士の副業では、これらの組み合わせパターンから自分のライフスタイルに合ったものを選択することで、現実的な収入アップが可能です。
一方で、理学療法士が避けるべき非現実的な副業についても知っておく必要があります。
絶対に避けるべき非現実的な副業
理学療法士が避けるべき、非現実的で継続困難な副業について解説します。
平日夜の継続的な副業
なぜ現実的でないか
- 本業後の疲労で集中力が続かない
- 睡眠不足で本業に支障が出るリスク
- 家族時間が犠牲になる
土日フルタイムの副業
なぜ現実的でないか
- 体力回復の時間がない
- プライベートが完全に犠牲になる
- 燃え尽き症候群のリスク
集客に時間がかかりすぎる副業
なぜ現実的でないか
- パーソナルトレーナー(集客に膨大な時間)
- YouTuber(動画作成・編集に時間がかかりすぎ)
- コーチング(信頼関係構築に時間が必要)
「簡単に稼げる」系の副業広告
特に注意すべき誇大広告
- 「ブログで月収50万円!誰でも簡単」
- 「1日30分で月収10万円のアフィリエイト」
- 「コピペだけで稼げるネットビジネス」
実体験からの警告
前の段落でも触れましたが、これらの広告の多くは、実際には「セミナー参加費」や「教材費」を目的としたマーケティング手法です。
実際には企業レベルの競合相手がいる中で、個人が簡単に稼ぐのは極めて困難というのが現実です。
理学療法士の副業では、甘い誘惑に惑わされず、現実的で継続可能な副業を選ぶことが成功への近道です。
成功のための3つの原則は、
②少ない時間で効率的に稼ぐ方法を選ぶ(在宅・高単価を優先)
③本業とのバランスを最優先する(体調不良や家族関係悪化は本末転倒)
まずは月2万円を目標に、無理のない範囲で始めてみることをお勧めします。
副業が禁止されている理学療法士の方へ
この記事を読んで「副業を始めたい」と思ったものの、職場で副業が禁止されている理学療法士の方もいるのではないでしょうか?
そんな方のために、副業禁止の職場での交渉術や、副業以外での収入アップ方法を詳しく解説した記事をご用意しています。
副業が禁止されていても、理学療法士として収入をアップさせる方法は必ずあります。
ぜひこちらの記事も併せてご覧ください。
